オノマチが好演ドラマ「カーネーション」

　尾野真千子主演のＮＨＫドラマ「カーネーション」が好調である。朝ドラのテッパン戦後直後で持ち前の突破力で人生を切り開いた実在の人物（コシノ三兄弟の母親）を、関西弁を使った尾野真千子の軽快なテンポで苦難を明るく描いてるのが視聴者を引きつけてる。
　朝ドラが新人ドラマの登竜門だったのは今や昔。いまや演技力とネームバリューが重視されている。今回オーディションで選ばれたという尾野真千子は、知名度でなく、知る人ぞ知る演技派の女優。１９８１年生まれの奈良出身。ニックネームは「オノマチ」。河瀬直美監督の映画『萌の朱雀』でデビューし、これがグランプリを獲得し話題となった。私はこの映画は主演と言うより、監督にスポットが当たり、尾野真千子は知らなかった。その後、映画を中心に実績を積みあげながら活動していた。一般的には認知度は低いが、麻生久美子のように玄人筋にには評価されていたと推測する。私が尾野真千子を知ったのは、映画「クライマーズ・ハイ」の新人記者役の時だ。正義感に燃えながら突き進む、悩み苦しむ様子が印象に残った。それからＮＨＫドラマ「外事警察」（全６回）。公安に新人で配属され、上司役の渡部篤郎のムチャぶりに耐えながら、揺らぎながらも正義と戦う役を好演。このような役がまさに「オノマチ」の真骨頂だろうと勝手に思っている。
　　
　ちなみに「あのアングラな椎名林檎が朝？」とサプライズだったオープニング曲「カーネーション」もドラマにマッチしてて良い。