うれしい裏切り！脚本が見事！／ 映画『いま、会いに行きます』

　ひさびさ熱くなりました。「いま、会いに行きます」は、見事裏切られた。ある意味期待していなかったのに、最後の２０分で覆された。　タイトルの意味が最後に分かるラストに、「そう来たかー」と思わず唸ってしまいしました。
　オチは話しませんが、とにかく私の最初の印象は、出資の会社を見ても「セカチュウ」の２匹目のドジョウかなと思っていました。つまり純愛系、泣かせる系かなと。しかし、違いました、純愛はそうだけど、全体のテイストは「黄泉かえり」、ファンタジーです。主演の竹内も同じなのでダブります。しかし、オチを観ると「シックスセンス」的な驚きと変わりました。「なるほどだから」と逆説的に前のシーンの意味が分かるという話、非常によく出来てます。
　話は、ちと知能遅れとなってしまった中村（父親）が、子供と二人で暮らしている。一年前なくなってしまったはずの竹内（母親）が、雨の季節に突然現れた。それも記憶をなくした状態で。戸惑う２人だが、一から関係を気づこうと３人の共同生活が始まった。
　　とまあこんあ感じで展開するのだが、ちとネタばれをいうと、私がどう思っていたかというと、死んだ人が戻ってきて、高校時代の出会いなど話が展開するに対して、中村は片思いと言っていた。それを覚えてない竹内だが、結局両思いだったんじゃないの的な部分があり、そんなオチかなと。
　でもそこじゃなかった。「なぜ記憶をなくしていたのか」が最後に分かる。そして「いま、会いに行きます」のこめられた意味。映像は緑で美しい、とにかく、純愛ものだが、そういう表現もあるのかと驚きます。　ひさびさ絶賛です。