無謀な富士山初チャレンジ
富士山初挑戦は単なる思いつきだった。そもそも登山とは無縁だったのに、海外旅行の際にたまたま登山ズボンやリュックを買ってしまったことや、直近でボリビアやペルーの4000M級の観光地で高山病にかかりすでに高山の耐性がついていると思ったことから始まる。山ガールなど登山ブームにも便乗し、これで富士もイケルと勘違いした。7月から山開きになり時期を探っていたが、気持ちのタイミングと、山特有の天気という壁もあり時間が過ぎていく。8月下旬にもう行かねばと決意すると台風がやってくる。諦めかけた9月の上旬ラストチャンスに勝負をかけた。
当日出発を決意
天気は大丈夫そうだという情報を下に明日決行を決意する。テンションが上がって寝るに寝られず徹夜という最悪の体調だが、マスト状態のため中断の二文字はない。
朝5時、吉祥寺から中央線の始発で出発。途中2度乗り換えながらローカルな富士山急行で学生の通学ラッシュに揉まれながらもなんとか河口湖駅に到着した。そこから約1時間バスで9時に富士山五合目までやってきた。
一般的な1泊ではなく、日帰り登山が計画だ。戻りのバスのタイムリミットは18時。ネット情報だとここから普通の人は往復10時間ぐらい。すでにアウトの状況であり、富士山初挑戦はあきらかに無謀だった。とにかくも登るべしと、足を動かした。
肉離れのアクシデント発生
6合目までは他の登山グループを追い越しながら軽快に1時間ぐらいで登るが、7合目で坂が急になりスローペースになり、左足ふとももの肉離れのアクシデントが発生。完全に失速すると、前のパーティーを追い抜いていた元気も吹き飛んだ。休憩しながらも一歩一歩確実に進めるしかなく、筋肉と相談しながらの厳しい状況。さらに左足ふとももから、次は右足ふとももと肉離れが転移し、状況はさらに悪化。左を庇って今度は右とかなりベタな展開。箱根駅伝のようにストップをかけてくれるコーチもいない。そもそも富士山は景色を楽しむような場所でもなく、瓦礫を登ってるようなものである。一種の修行だ。
肉体の限界と折れる心。30分ほど座りながら自分に語りかける。リタイヤかゴーか? 恐る恐る屈伸をしながら立ち上がり、歩けることを確認すると、前に進むことを決意した。それからさらに左、右と歩くたびに肉離れのピークがくるが、なんとか8合目まで到着。ここまでくると山頂が見えてくる。すると肉体のダメージはあるが、気持ちは回復してきた。ここまで河口湖駅で買った500mリットルの水を2本飲みきっていた。汗はだくだくで喉もからからで山小屋が販売している1本500円もする水を2本購入。日本一の山だけに物価も高い。
すでに昼時だけに、山小屋の休憩所で食事も出来るが、のんびりしてる余裕もない。18時までに無事生還するには前進あるのみ。山小屋でリュック預かりサービスなるものを発見し、カメラなど必要なもの以外を預けて身軽になった。
やっと頂上に到着
9合目や山頂は見えるが、急斜面のためになかなか進まない。空気も薄くすでに肉体は限界だ。周りを見ると、みな一応に疲れた様子。みんな頑張れ! 亀のペースで粘りに粘るとついに9合目到着。変な鳥居がお出迎えしている。肉離れも少し収まりひたすら一歩一歩と左右の足を地味に動かしながら、時折休みながら進んだ。14時、ついに山頂へ到着。極度の疲れからかまったく高揚感はなかった。写真撮影などひと通りのことをやるも、あまりに強風で危険。寒過ぎでもう限界とばかりに15分ほどですぐに下山した。
下りは砂利のパウダースノー?
下りは専用の下山道、スキー場の雪のように、ひたすら石の砂利砂利砂利。歩くというか滑るという表現だろう。足を取られると簡単に転ぶ非常にやっかいな感じだ。この道を走って下る猛者もいたが、それは真似できないので一定のスピードでコンスタントに滑るように下る。こけないように降りるコツもつかむと、肉離れも使う筋肉が違うからかもう発生せずに快調だ。
上りと違って心の余裕は出来たが、景色はホント冴えない。木も草もない緑はない山である。
往復7時間30分のハイペースだった
ぶつぶつと文句ばかりで単調な下り道で、上りとは違った苦痛を感じながらも16時30分、出発地点の五合目にカムバック。7時間30分というアッパレ?なタイムをたたき出した。
ゴールと同時に水分補給。適正価格の150円で水が買えるのに感動。乾いた喉に水を一気に流し込むと、自分で自分を褒めてやった。よく無事で戻ってきたなと。しかし、富士山はブームだからと軽い気持ちだとやられる、よーく分かった。帰りの富士山駅で食べたほうとう鍋が一番の収穫だったかも。翌日は筋肉痛で動けず、腰を痛めて後遺症をひきずるはめに。とほほです。
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