【vol.36】さらば雪の降る街イスタンブール

イスタンブール トルコ

アヤソフィア

 イスタンブール三日目。起きてみるとめちゃくちゃ寒い。それもそのはず、外は雪がしんしんと降っている。トルコの南アンタルヤでは温暖な気候だったのに、北とはいえイスタンブールで雪とはビックリ。ラストでこの天気に見舞われるとはほどほど運が悪い。しかし、部屋に閉じこもっている時間はない。午前中は昨日回れなかった場所をめぐり、午後はおみやげタイムに突入。イスタンブールで有名なショッピングモール風な大規模商店街のエジプシャンバザールにやってきた。香辛料などの食料品から、貴金属の店まで様々の店が立ち並ぶ。欧米からの観光客も沢山訪れ、掛け声が飛びまくって賑やかな光景だ。ふらふらと見ていると、すぐに日本語で売り込んでくる店員が次々に現れて、のんびり見物も出来ない状態だ。なまじチャイでもごちそうになれば高額な絨毯でも売ってくる可能性は大。それでもなんとか店員をかわしながら、安いチャイなどを手に入れた。
 それからすることも思い浮かばず、ついに3度目のガラタ塔へ行くことにした。もう一度イスタンブールの光景を目に焼き付けておこうと思ったのだ。しかし、さらりと見ると、ノーアイデア過ぎたと反省し、次は新市街の地元民も買いに来る市場に行くとこにした。日本で言えば築地市場といったところか。そこでムール貝を焼いた香ばしい匂いに負けて、地元民が溢れる店に入った。ムール貝の唐揚げ、シシケバブ、チキンケバブを注文。ムール貝は日本で食べたら何倍もするようなボリュームだ。貝という衛生的な問題もすでに無頓着になっていた。旅行当初は生野菜など気をつけていたが、面倒くさくなり、生水以外はほとんど食べている。安さに負けてバクついたが、味も最高に美味かった。
 夕方、雪の古中、カモメ達が飛び舞うガラタ橋を歩いた。東と西の分岐点でイスタンブールの最後の空気を満喫した。東西の間で戦争など歴史の中心地であり、エスニックな街イスタンブール。短い時間だったが、非常に堪能した。「また来るぞ」。
 
<旅行記:1996年3月18日>◇25日目◇トルコ