【vol.28】サッカーNO.1決戦観戦で偽証サポーターに

アンカラ トルコ

トルコの風景

昨夜の夜行バスに乗ってトルコ首都アンカラに到着した。ここでの目的はサッカー観戦。今日はトルコリーグの頂上決戦、大統領も観戦にくるという年1回のチャンピオンシップ大会が開催される日だ。昨日たまたま、TVでサッカー観戦している宿の主人にその話を聞いた。「イタリアでなくトルコでサッカー観戦か~、それはおもろい」と単純に思い、本来は観光名所カッパドキヤを予定していたのだが急きょコースを変更した。私も意外だったのだが実はトルコ人はサッカー大好き、それはイタリヤ人のノリと変わらない。今日の大会は盛り上がり度はNO1らしいのだ。
10時30分、ガイドを片手に開催される競技場まで歩いて目指すと、人の長座の列。当日チケットを求めてきている人・人・人。その様子に圧倒された私であるが、「ここまで来た以上は行くしかない」と勇気を振り絞り、列の最後尾に並んだ。周りを見ると、みなトルコ人。外人もまったくいない。ぽつーんと私だけが一人の状況だ。いくら日本に友好的なお国柄とはいえこのシチュエーションはかなり怖い。11時、12時、13時、14時と時間だけが過ぎていく。
 ひっそりとしていたのだが、やはり目立つらしく、トルコ人が話しかけた。「サッカー見に来たの?」と、私は「イエース」などと適当に話していた。すると彼らは私の着ている服に注目、「これはフェルバッサね」となぜか笑顔。一瞬何か理解できなかったが、私の着ているブルー字に黄色のラインが入ったコートが、たまたまフェルバッサのチームカラーだったらしい。ラッキーに思った私は「そう、フェルバッサよ」など、調子に乗って話しかけてきたフェルバッササポータ達と盛り上がった。これで少しは救われた。しかし、人の列は増えても一向にチケット販売は開始しない。不安を抱きながらも必死の思いで、なんと5時間も並び続けた。これが最高潮に達しようとした頃に「そろそろ入場開始だ」と叫び声が聞こえた。時計を見ると15時。
 耐えぬいたゆえ、喜びも大きかったが、その後事件は起こった。

<旅行記:1996年3月12日>◇19日目-2◇トルコ・アンカラ