【vol.2】ヴェニス駅まさかの乗り過ごしでUターン!

イタリア ヴェニス

イタリア・ベニスの街

 一応行き先は決まったが、着いたばかりで時間や場所感覚がない。かなり不安を感じていた。隣のおじさんに、電車が止まるたび聞いていた。 「ベネツイア?はまだ」と。 そのたびおじさんは「OKOK」と応え、さらにイタリヤ語で何か言っている。「大丈夫だよ、まだだって」といっているように受け止めた。そんなやりとりが3・4回あったのだろうか、次第に到着時間が、メージより過ぎているように感じた。

もしや通過?

 「これはもしや」と、思わず部屋から飛び出て駅員さんを探した。案の上不安は的中し、駅員さんの答えは、「もうヴェニス過ぎてるよ」であった。 「え」というかなりの間。さっきのひっそりとした駅がまさかのヴェニスなのか?
「このままいったらロシア圏に入る」と言われ、あわてて次の駅で降りた。「隣のおじさんのOKはなんだったのだろうか」。結局自分が悪いのであるが、疑問に感じずにはいられない。
 運良く逆方向への次の電車がすぐに来たため、飛び乗って、間一髪セーフ。結局予定より2時間遅れてここヴェニスに着いた。時間にして朝の6時。ハプニングがあっただけ に「よく無事に着いた」と感傷に浸った。
 ヴェニスの朝は霧につつまれて見渡しが悪く、非常に寒かった。 街はまだ動き出していないようだが、じっとしてるのも嫌なので、ヴェニスの目玉であるサンマルコ寺院を目指して霧の中を歩くことにした。地図はあるが見るのが面倒と、自分方向感覚だけをたよりにひたすら目的地の方角へ歩いた。どんだけいっても人っ子一人いない。街は完全に熟睡中である。観光客など決して訪れそうもない路地裏を歩きじっくりこの街の生活を感じようとしていた。

1996年2月22日◇2日目-1◇イタリア(ヴェニス)