【vol.10】1等料金で2等席に?親切心には裏がある

エジプト カイロ ピラミッド

サッカーラの砂漠

  ギザ・ピラミッドを見た後は、次はレストラン。また40ポンドと高い。食べて見るが、うまいとは言えず完全にボラれてると感じる。
 その後、そこそこ有名な階段ピラミッドがあるサッカラーの地へと向かった。アラビア砂漠が一面広がっている非常に美しい光景の場所に着いた。「これが、エジプトか!」と感激し、探検隊のごとく、内部のお墓の中に潜入した。観光客とそれに群がるエジプト人とが騒々しいギザと違い、観光客もほとんどいなく、静かでいい雰囲気だ。かなりインディージョンズの世界で胸が躍る。
 一通りツアーを満喫した僕は今日の夜行でルクソールへ行くため、明日日本へ戻る優しき4人組と別れた。
 すると、ドライバーが駅まで送ってくれると言い出し、ならばと駅まで連れて行ってもらった。しかし、優しい好意に裏があった。
 到着すると再びお金を要求され、交通費を払えという。「すでに払った」と怒った口調でいうと、さすがにあきらめた様子となった。それならばと、「ルクソールまでのチケットを買ってあげる」と、「なぜなら外人にはなかなか2等のチケットを売ってくれないからだ」と説明された。納得はいかないものの、まあそれならばと提案に乗った。
 10分過ぎたころに、ドライバーは戻ってきた。「2等は満杯だから、1等しかないのでその分くれ」と、まあでは仕方がないと、追加のお金を渡し、チケットを受け取った。
 そのドライバーに「いろいろ面倒けかけて悪かったね、サンキュー」と笑顔で礼を言った後、列車を探しにホームへ向かった。 
 意気揚々とチケットを見ながら、目的の列車を探し当てた。しかし、乗って見るとなんか変と気づく。1等はもっとゴージャスなはずなのに、えらくみすぼらしいのだ。朝食も出るはずなのにこれは違う。
 「やられた。1等でない、2等のチケットだ」
 やっぱり油断ならない。優しい笑顔のエジプト人は嫌いだ。
 
<旅行記:1996年2月26日>◇7日目-2◇エジプト(カイロ)