【vol.14】AM2時起床、指令ピラミッドに突入せよ!

エジプト カイロ ピラミッド

ナイル川

 予定通りに深夜の2時に目を覚まし、同室のみんなを起こすと、ミーティングを始めた。昨夜居なかったが、噂を聞きつけ参加したいと駆けつけた人もいた。数えると9人。しかし、昨夜熱心にこの計画に乗っていた中心人物がいない。どうしたと焦るも待てどもこない、ついには彼はしょうがないということで、すべてを把握している私が、仕切るハメになった。後のメンバーは単に着いてくるだけの連中、正直やばいという気持ちだが、開き直り「よし。いくかー」と気合いを込めた。しかし、不安は的中しつぎつぎとトラブルに見舞われたのだ。
 伝説のマニュアル本の用にいくと、この時間にはこのホテルの下に、毎夜この謎のツアーを知ってか、タクシーが止まっているらしいと聞いていた。うろうろあたりを見回し「あれじゃない?」とそれっぽいタクシーを発見。交渉で「一人2・50ポンド」と回答。メンバーの中から高いという声があがったため、他のタクシーを探した。急遽道で走っているタクシーを止めると、「1・5ポンド」と運転手と返答。「おお、それは安い」とみな賛同し、タクシー2台でピラミッドに向けて出発した。しかし、この運転手は当然裏ピラミッドツアービギナーだった。行きたいところに行ってくれないのだ。まずギザ駅に止まった。ギザのピラミッドとギザ駅を間違えたらしい。「違うって」と行ってもななかな理解してもらえず、車の外で口論していると、暇な地元民に囲まれてしまった。事情を説明するも、「ファラオに登れない、明日いけ」の一点張り、これはらちがつかないと思い、運転手に「とにかく、行け!」とばかりに走らせた。
 これで安心もつかの間、ちとこの車のルートが違う気がした。私は一応初日にピラミッドに行っているのでなんとなくの感覚をもっていたのだが、真っ暗のためよくわからない。
 不安がつのるなか、車が止まりかけた。すると前方になにか見えてきた。人もいる。ここはどこ?だ、予定と違うと感じたが、後の祭り、なんと、スフィンクスの入り口だった。人は警備員だ。
 裏ガイドブックには、ピラミッドへ登るにはサイドのかくれた入り口から突入するのに、予想外の正面ストップ。「絶体絶命の大ピンチ」に陥った。もうノーアイデアだ。裏ピラミッドツアーやはくも黄色信号が灯った。
<旅行記:1996年3月2日>◇9日目?1◇エジプト(カイロ)