【vol.20】ギリシャ謎の島で脱出方法リサーチ開始

ギリシャ ヒオス島

ギリシャの島にあるコート

トルコにフェリーで行く途中深夜3時、謎の島で強制的に降ろされた私は、確実に路頭に迷った。こんな夜中にひっそりと開いていた寂しい喫茶店で、持ち金もなくコーヒー一杯で日の出を待った。寂しさが増した。
あたりはようやく明るくなってきた。「日の出」だと、いきり立って店から出ると海辺に向かうと、野良犬から吠えられ後退を余儀なくされた。なんとか回って安全ポイントで座って、日の出を鑑賞した。てっきり地中海から出ると思っていたが、トルコの陸の方から日が出てきた。
「うれしい、さすがに。どこかもわからない所で、暗い夜に待つのは、かなり寂しかった」。
さて、感傷に浸るのもそれまで。問題を解決しなければならない。「ここはどこで、どうやってトルコに行けるのか?」である。まず手に持っているチケットが果たして使えるのかそれを聞き込みを始めた。1人、2人、3人と立て続けに聞くが、「私の扱っているものではない」とたらい回しにされる。ようやくそれらしき旅行代理店を発見し、チケットを見せると、「それで行ける」と返答。「おおおー」と心の中でガッツポーズ。このチケットで、午後の16時、トルコ行きの船に乗れるとのこと。しかし、ポートタックスが必要だという(船で入る際の税金)。「あれ、それは聞いていないぞ」と振り返った。どうやらアテネの代理店でやられたらしい。両替の必要も出てきたが、とにかくトルコに行けることは確実だ。それは安心した。

時間はゆったりと

 それから時間が余った私は、この謎の島の探検とばかりに散策に出かけた。店などもあまりなく、田舎。みすぼらしい漁港と行った感じだ。シーズンオフでもあり観光するような島ではない。それでも、海を見ながら日光浴。日記を書きながらのんびり時間を過ごした。

<旅行記:1996年3月6日>◇13日目-2◇ギリシャ→トルコ