【vol.19】深夜にフェリー強制下船!謎の島で放置プレイ

ギリシャ ピレウス

ギリシャの港

 昨夜悩んで結局トルコ行きを決意した。地中海を観ながらスキーをするもの悪くないが、明らかに無謀。そもそもトルコに行きたい気持ちが強かったのに、これでは本末転倒と思ったからだ。
 まず昨日訪れた代理店で夜21時発のチケットを入手した。それに安心し、午後はのんびり、お土産などのんびり過ごした。そんな時間はあっとすぎて午後21時、フェリーが出発した。結構豪華な遊覧船といった感じで非常に快適だ。観光客もたくさんいる。広めのシートで眠った。
 しかし、事件は起きた。
 0時を過ぎて3時。なぜかフェリーが止まった。
 「えっ、もうトルコ」。ちと早くないか、いやな予感がした。100人以上いただろうか、他のお客さんが一気に降りだした。絶対違うと思った私は、チケットを見せてどういうことなのか聞こうとするも、「とにかく降りろ」の一点バリ。周りを見ても日本人もいないし理解不能状態。とにかく全員おりなきゃならないらしく、どこかわからない、謎の島に上陸した。
 あたりは真っ暗だ。しばらくすると、豪華フェリーも去っていった。共に降りた人々も迎えの人が続々来て去っていた。
 私はそこに一人残された。「ここはどこ?なんなのこれ?」。
 とりあえず冷静になり、周りを見渡すと、光が見えた。こんな時間にも開いている喫茶店らしき店があった。とにかく不安な気持ちを溶かすべく蛾のようにふらふらと、暖かい光の店に入った。
 しかしすでにトルコに行くつもりで両替もせず、ギリシャのお金はギリギリしかもってない。いっぱいのコーヒーだけ頼み、ガイド本を読んでるふりをしながらすでにコーヒーは空になっても粘りに粘った。「朝日が出るまでは」と思いそれで2時間耐えた。「で、ここはどこなの?」。

<旅行記:1996年3月5日>◇12日目◇ギリシャ